ごあいさつ
「がん以外では人は死なない。」
医療の進化とともに、そんな時代も近づきつつあります。とはいえ、現在、日本でがんに罹患する人は、毎年100万人。それに立ち向かうべく、世界の医療関係者が総力を結集しているといっても過言ではありません。おかげで、わが国でも全がんの5年生存率が66%に向上し、これからは、「かかっても治る病気」になっていくものと思われます。
しかしながら、その一方で、希少がん・小児がん(小児がんも希少がんのひとつ)については、全がん罹患者の3割以上を占めるといわれながら、未だ診断法や治療法の研究開発が大変遅れており、治っても様々な晩期合併症に生涯悩むという状況にあることは、残念と言わざるを得ず、このままでは、希少がん・小児がん、更には難治性がんが取り残されていくのではないかと、大変危惧されるところです。
一方で、「量子力学」が提唱されて100年が経ち、量子の世界を操る「量子科学技術」は、がん治療分野においても、重粒子線治療に代表される量子メスや光免疫療法など、その活用による新たな医療(=量子医療)の展開が現実のものとなってきました。
そこで、私たち『一般財団法人 量子医療推進機構』は、狭義の医療だけでなく、物理学、数学、生命科学、機械・電子工学、材料工学、情報工学など、多くの分野の“知”が融合・結合する場づくりを進めることにより、「量子科学」を身近に、縦横に活用した新しい診断・治療法の研究開発を推進するためのプラットフォームを確立し、患者ごとに最適な希少がん、小児がん、難治性がんの診断法・治療法を開発していくことを目指しています。
皆さんと一緒に、子供達や家族の夢と希望を膨らませ、地球上の誰もがその恩恵を受けることができる社会を構築しましょう。
一般財団法人 量子医療推進機構
理事長 坂井 浩毅