2021年1月16日
令和2年度 第4回量子医療研究会 テーマ:「BNCTおよび光免疫療法の最前線」
講演: (株)ハイメディックが取り組むがん検診・がん治療~大切な人をがんで亡くさない社会を目指して~
東京ミッドタウンクリニック 院長
講師が進めている先進的ながん診療法について紹介された。ここでは治療法が確立していないがんに関して、患者さんから得られた遺伝子変異のデータなどを集約し、遺伝情報から最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」を進めるため国立がん研究センターに「がんゲノム情報管理センター」が2018年6月に開設されている。
これらをもとに最新療法であるがん免疫療法(樹状細胞ワクチン療法/ナチュラルキラー細胞療法/活性化リンパ球療法)、リキッドバイオプシー(がん遺伝子検査)等、細胞を遺伝子レベルで分析し、適切な治療薬を投与するオーダーメード治療、プレシジョンメディシンを本格的に進めている。
リキッドバイオプシーは、がん細胞がアポトーシスを起こした時に、血液中に出るDNAを検出する技術である。がん細胞のクローン全体の情報がわかるため、より正確な治療薬選択が可能になるとともに、生検が難しい再発・転移がんの状態もわかる。
また現在、免疫療法の組み合わせによる相乗効果を狙ったがん治療を行っている。これは活性化リンパ球療法(α・βT細胞療法)・ナチュラルキラー細胞療法(NK細胞療法)・樹状細胞ワクチン療法等である。
国立がん研究センターの「がんゲノム情報管理センター」では当面は数万人分のデータを集め、将来的には100万人以上に増やすと考えている。データが増えることで希少がんの新しい治療法の開発につながる可能性がある。